- k a r e s a n s u i -

昏君†無双

「――以上が質問の答えよ。……納得した?」
「うむ。納得し、理解もした。……ふむ、これで一先ず質問は終わり……だな」
「そう……よかったわ」

 帝辛の質問に対する説明を終え、また帝辛の質問が尽き。教師役を務めた詠はふうと一つ溜息を吐いた。

「……今日はこのぐらいで切り上げるわ。初日から詰め込んだって、土台がしっかり出来なきゃ意味がないもの」
「そうか。……ふう。いや確かに。これほど、浴びるように新しい物事を学ぶのは楽しいが、使いこなすのが目的であるし、楽しむのは二の次よな」
「……まあアンタは確かに楽しそうだったわね……」

 優れた教え子と優れた教師、互いに刺激しあうものがあったのか、勉強会は非常に熱の入ったものとなっていた。特に帝辛にとって、こんな風に誰かから者をじっくりと教わるという事は絶えて久しかったため、身の入り様は並ではなく。
 朝身体を存分に動かした事もあって、頭もたっぷりと使った帝辛は、実にすっきりとした顔で満足気である。
 その、一方で。

「……なんや、賈駆っちのセリフが負け惜しみに聞こえてしまうんは気のせいなんやろか……」
「ぐっ……、き、気のせいに決まってるでしょ」

 どこか遠い眼をして呟いた張遼に、顔を引きつらせつつも反論する賈駆。二人とも、どこかげっそりとしている。
 それもそのはず、想像以上に貪欲に知識を吸収する帝辛によって、賈駆が用意していた初日用の教材及び題材は、あっという間になくなってしまっていた。
 そこから先は帝辛の質問攻めに晒され続け、その想像を超える頭脳に舌を巻き、また冷や汗を流した賈駆である。軍事面に於いて補佐を務めた張遼もそれは同様で、というか前線に立つのは彼女なので、仔細な所まで突っ込まれて、こちらも疲労困憊である。



 ――と、そんな折に。

「詠ちゃん?」

 ひょこ、と書庫の入り口から中をうかがうのは董卓。漂うお開きの空気を察してか、とことこと室内に入ってきた。

「詠ちゃん、終わったの?」
「月、いい所に来たわね。ちょうど終わったところよ」
「ちょうどよかった……。詠ちゃん、ご飯はまだ食べてないよね?」
「あ……そういえばそうね」

 トントン、と参考文献やら教科書に使った本や竹簡と整理しながら窓越しに太陽を伺う。太陽は既に中天を過ぎ、想像以上に時間が経っていた事がうかがえた。

「ウチも食べてへんなぁ……っていうか、もうお昼時やったんやな」
「うむ……。熱中のあまり気付かなかったが……かなり腹が減っているな」
「あ〜、ウチもや〜。ウチらは朝に鍛錬もしたからなぁ」

 苦笑しながら帝辛が腹をさすり、張遼は少しばかり情けない声を上げる。
 運動していないのにかなり空腹を覚えている事に気付いた賈駆が、その影でこっそりいやいや頭脳労働だって疲れるんだから大丈夫、と自分に言い聞かせていたりするが、さておき。

「だと思った。あのね、中庭にお昼と一緒にお茶の準備もしてあるから、みんなで食べませんか?」
「え? 月が用意したの? そんなのは女官にやらせればいいじゃない。月には月の仕事だってあるし、そういうのは女官の仕事でしょ?」
「ええやんええやん、そんな固い事言わんでも! せっかく用意してくれたんやし、今更やて」
「そうは言うけどね、周りに示しって物がつかないじゃないの。今はまだ微妙な時期なんだから」

 とは言うものの、賈駆も今更片付けさせるつもりはない。その言葉が董卓の立場を案じたものである、と理解できる張遼は、内心で心配性やな〜と思っていたりする。

「ふむ。用意がしてあるのならば否があるはずもなし。ご相伴に預かろう」

 そして残った帝辛に否がなければ、食事会の開催である。



 ところは変わって中の庭。大き目の東屋の卓に所狭しと並べられた料理にお茶。そして何故か紛れ込んでいる酒、酒、酒……。

「ってお茶より酒の方が多くない!?」
「気のせい気のせい。それにこの程度、全然多くあらへんで?」
「あんたは黙りなさいこのザル女!」
「ま、まあまあ詠ちゃん、ちょっとぐらいなら大丈夫だよ」
「……月、これがちょっとの量に見えるの?」
「……えっと」

 月が答えに窮する程度には、まあ量があるという事で。あれば手が出るのが人の性、食が進むにつれて酒も進む飲兵衛が二人。

「んっ……んっ……っぷぁああ! いやあ帝辛、あんた結構いける口なんやなぁ!」
「なんの、新しい味につい杯が進んでしまっただけだ。そなたこそ、女だてらになかなかの飲みっぷりだな」

 その二人、いうまでもなく帝辛と張遼である。お互いに呑んでは注いで、呑んでは注いでを繰り返し、呆れる賈駆の冷たい視線もなんのその。二人の空間だけ完全に飲み会になっていた。

「アンタたちねえ……。午後にもやる事は残ってるのよ? 呑みすぎて仕事にならないなんて事にはならないでしょうね?」
「それは弁えている。第一、この程度の酒量で潰れるほど柔ではない。そうだろう?」
「ま、そーゆーこっちゃな。やる事はちゃんとやるさかい、多めに見てぇな。帝辛の勉強にしたって、予定より随分進んどるんやろ?」
「それはそうだけど……」

 張遼の言い分は、一先ず事実。用意した課題は底をつき、生半可な準備では帝辛の質問攻勢に耐えられない。となれば急ぐ必要はない、というかむしろ暫く時間を空けなければならないくらいである。

「詠ちゃん、そんなに気負いすぎないで? まだお仕事は始まったばっかりなんだから。今からそんなに急いでたら、息切れしちゃうよ?」

 けれどもそれでも駆け続け、立ち止まる事を許されないのが君主なのだがな、と。ちらり浮かんだ言葉を帝辛が脳裏に沈めているうちに、賈駆もどうやら踏ん切りがついたらしい。

「……はあ……わかったわよ……。その代わり! ずえぇええったいに、明日の仕事に支障をきたさない事! いいわね!」

 ……もとい、諦めたともいう。

「そうこなくっちゃなぁ! 流石は賈文和、士気の上げ方をわかっとるなぁ♪」
「ちょ、痛っ! バシバシ叩かないでよっ」

 渋々条件付きながらも認めた賈駆の背中を、張遼がかんらと笑いながら叩く。酔っているようにも見えるが……普段とあんまり変わらないようにも見える。ひょっとしたら常時酔っ払っているのかもしれない。

「やれやれ……。酔っ払いそのものではないか」
「そうですね……。でも、息抜きと景気付けには丁度いいかもしれませんね。はい、どうぞ一献」
「おお、すまぬ」

 苦笑しながらも杯を空ける帝辛。それを見て、いつの間にやら隣に来ていた董卓が、空の杯に酒を満たす。
 立場的には酌をされる側の人間である董卓だが、なかなかどうして、堂に入った姿である。

「ふむ……。美味い酒に美味い飯、それに良い女に囲まれるとは、いやこれ正に快かな」
「へうっ!? い、良い女だなんて……」
「……ちょっと、アンタ酔っ払ってんじゃないの? さっきのボクの忠告、忘れたわけじゃないでしょうね?」

 頭と身体のキレを取り戻し、徐々に昔の状態へ戻りつつある帝辛だが。同時に好色で女好き、という側面も少しずつ現れてきているようで。とはいえ、それが自身の身を滅ぼした一因でもあると自覚しているので、自重するつもりはもちろんある。あるがしかし。

「いやいや、別に月にだけ言っとるわけでもあらへんし、事実なんやからしゃあないやん? そんな目くじら立てんと」
「まあ、そういう事だな。特に董卓殿は、傍目は可憐な花といったところだが、私の目を覚まさせるほどに強さも兼ね備えている。いや、私がもう十歳若ければ放っておかなかったのだがな。もちろん、そなたら二人も同じよ。全く以って良い女よな」

 じと目で賈駆に睨まれながらもそんな科白を吐く程度には、帝辛は董卓の事を気に入っていた。かつてであればとっくに後宮に引き込んでいただろう。そして張遼、賈駆も同様の評価である。

「ちょ、このスケベ親父! 舌の根も乾かないうちから!」
「へっへ〜、お世辞でも嬉しいなぁ」
「なんの、世辞ではない。……だがまあ、何もすぐに手を出すつもりはないので安心せよ。――嫌を強いるつもりは毛頭ないのでな」

 ふ、と遠い目をする帝辛の脳裏を過ぎるのは、かつての忠臣、黄飛虎の妻である賈氏。美しく凛々しく、そして気高かった女性。
 かつて。妲己に心の隙を衝かれた帝辛は、唆されるままに賈氏に迫り。王命であるが故に断れぬ賈氏は、自死を以って夫への操を立てた。
 それに絶望した帝辛の第三后妃にして黄飛虎の妹である黄氏は、実質的に人質状態となっている自身の命を絶ち、兄が殷王朝から離反できる状況を作り上げた。
 殷王朝の、そして帝辛の決定的な崩壊は、この一件から始まったともいえ。そしてその発端は自身の好色さにある。それを自覚する帝辛に、今は口ではなんと言おうと、手を出すつもりは全くなかった。

 とはいえ。

「……信用ならないわね。月、気をつけなさいよ」

 賈駆にじとっとした目で見られてしまう程度には疑わしく思われているのも確か。それもそうだろうな、と内心で思いつつ……ふと気になっていた事を思い出した。

「そう、そう。一つ気になっていたのだが……。董卓、賈駆、張遼……。そなたらの名についてだ」
「名、ですか?」
「うむ。いささか礼を失する言い草だが……そなたらの名は、どうにも女子につけられる類のものとは思えんのだ。字にしても、普通女子につけられるものとは、なぁ」

 この帝辛の疑問は最もで、実際彼女らの名は、女子につけるものとしてはいささか不似合いなのである。

「あら、さすがの帝辛様にも知らない事はあったのね……って、ボクもいつからこうなったのかははっきりとは知らないからそんなに偉そうな事は言えないけど。でも、定説とされる理由なら知ってるわ」

 しかしその疑問に、賈駆はそれこそ確たる答えを持っているらしく。内心、同じ中華でも千年経てば変わるのかしら、と疑問に思いつつ、賈駆は先程の勉強会での意趣返しも含めて講釈を始める。

「おほん。まあ文献によると……それこそ千年くらい前から、どうも男女の才能や能力の差異が逆転し始めたらしいのよ。男が弱くなったのか、男勝りの女が増えたのか……。まあたぶん後者だと思うけど。とにかく、女性は男性に比肩、多くの場合は上回る能力を得るようになった、って訳よ」
「ほお……。史書や昨今の人事状況を見るに、女性の台頭著しいとは思っていたが……。よもやそんな理由があったとはな」
「ほんまやなぁ。ウチも知らへんかったで」
「霞さん……それはちょっと……」
「ああっ!? 月の視線が冷たいっ!?」
「……帝辛より先にあなたを扱いた方がいいのかしらね?」
「ちょ、なんて薮蛇なんやこれっ!?」
「ふむ……。しかし、千年前……」

 漫才モードに突入した三人娘を他所に、一人帝辛は考え込む。
 千年前、そして女性の能力向上……。

「……まさか、な」



 そう、そうだ。これは私の未練が見せる愚かな願望に違いない。
 星と同化し、大いなる母となったという彼女。その血が、力が。千年の時を経てなお彼女たちに受け継がれているのだなどと……。



 あるはずはない。あるはずはない、が……。

「もしそうだとしたなら……」

 此度は酒色に溺れた昏君ではないところを示しみせよう。惚れてしまっても、肉の器がない事を悔しがるがいい。





 ――あらぁん? それじゃあ楽しみにさせてもらうわぁん♪





「……ん?」
「ん? どないしたん?」
「……いや、どうやら少し酔ったらしい。空耳だ。……ところで、話を元に戻してもらってもよいか?」
「話……? あ、ああ。そういえば名前の話だったわね」
「詠ちゃん、忘れてたの?」
「そ、そんな事ないわよ!?」
「あ〜……またさっきと同じ事になっているぞ? 女が男を凌駕するようになって、それがどう名前に繋がるのか、教えてくれ」
「そっそうね、それが本題だものね」

 落ち着けボク、クールよ、KOOLになるのよ……。……KOOLってなによ?
 などと聞こえたような気がしたが、聞こえなかった事にして待つ事数拍。さっきまでをなかった事にしたらしい賈駆が、しれっと話を再開する。

「で、人材の状況は変化したんだけど、社会機構や固定観念、先入観はなかなか変わらなかったのね。働くのは男の仕事って考えが残ってて、いくら優秀でも女だったら名前を聞いた時点で門前払いされる事が多々あったのよ」
「……成る程。つまり男性名にしてしまえば」
「名前の響きだけで判断される事は少なくなるってわけ。で、実際に会って話しさえすれば、優秀さを見せ付ける事も出来るし、そうなれば人材に窮する職場なら採用される可能性が高くなる……。そんな事を繰り返して、此処まで女性の社会進出が進んだのよ」
「ふむ……」

 つまりは、実の部分で男に比肩していながら社会進出が出来ないので、ならばと文字通り名も同様にしてしまおう、という発想である。名実共に男性と同格となれば……。かつてそう願った誰かがいて、つまりはその結果が今日であった。

「ふむ……。しかし花の乙女が厳つい男の名前をしているというのも、なんとももったいない話ではあるな」
「ん? なにを言っとるんや。そのための真名やないか」
「……真名? なんだそれは?」
「「「……はい?」」」
「……姓は帝、名は辛。幼名は受。一般には紂と呼ばれていた。……他に、何かあるのか?」

 その反応は予想外、と言わんばかりに呆ける三人。であったが、いち早く再起動した張遼が補足する。

「あ〜、真名っちゅうのはな? 親しい人や許しを与えた人にしか呼ぶ事を許さん、女としての本当の名前や。……まあ大分一般にも広まってるから男でも持ってる奴はいるんやけど……。とにかく、普段名乗っとるんが公的な名前やとしたら、真名はいわば私的な名前やな」
「付け加えると、別に真名は教える分にはそこまで厳しく制限されてはないのよ。ボクだってアンタの面前で月……董卓の真名を呼んでる訳だし」
「ですけど……帝辛さんには、真名は……」
「うむ。そういう事なら、私に真名はない。しいて言えば……帝辛、辛。これが真名に相当するか」
「やっぱりそうなるんやな……」

 その言葉を聞いて、やっぱりなぁ、とばかりにバツが悪そうになる三人。

「あれやな。不可抗力な事情とはいえ……」
「そうですね。一方的に私たちだけっていうのは……」
「ううううう……」
「ほら、詠ちゃんも」
「わかってる……わかってるわよ! でも与えるだけよ! 許しはしないんだからね!?」
「一体なんの話だ?」

 疑問を発した帝辛自身を置き去りに、三人娘はなにやら話し合いをしている。
 張遼と董卓が推進派、賈駆が抵抗しているらしいが、しかしどうやら賈駆も致し方なしと半分諦めているようで、大きく溜息を吐いて、結局「わかったわよ」と受け入れた。

 さて、張遼董卓が発案し賈駆が受け入れた案件とは。即ち真名についてであった。

「あ〜、あんな? ウチらの常識……ちゅうか、礼儀としてはな? 勝手に呼ぶのはえらい無礼な事なんよ。それこそ無礼討ちにされても文句が言えへんくらいのな?」
「それで、私たちはそれと知らなかったとはいえ……貴方の真名、に相当する名前を呼んでしまいましたから……」
「自分たちも真名を預けねば不公平である、というわけか?」
「……まあ、そういう事よ。だからいい!? あくまで礼と義に則って預けるのであって、他意はないんだからね! そこら辺勘違いしないでよ!?」

 とある外史での北郷何某が聞けば「ツンデレだ!」などと叫びそうな賈駆の発言ではあるが、要は認めた、という事で。

「まあ、もう耳にしとるとは思うけどな。張遼文遠、真名は霞や。ウチはあんたになら呼ばれても構わんで?」
「えっと、私の真名は月……です。私も……真名で呼んでくれていいです。改めて、よろしくお願いしますね」
「ちょ、ちょっと月!?」
「ううん、いいの、詠ちゃん。……わかってたでしょう?」
「うっ……」

 男性に対して真名を預けるだけならまだしも、呼ぶ事を許す……。
 長く董卓と一緒にいた賈駆にしてみればまさしくあり得ない事態に、思わず叫びはしたものの。董卓のいうとおり、心のどこかで予感はしていた。
 ここのところの帝辛に対する董卓の接し方……。これも成長の一環なのだと思えば喜ばしくもあるが……。
 急激な董卓と状況の変化に、なんだか自分ばかりが置き去りにされているような感じがして。

「……賈駆文和。真名は……………詠よ。でも呼ぶんじゃないわよ! 呼んだらぶっ飛ばすからね!?」

 それを振り払うように……或いは董卓に追いすがるように? 賈駆は乱暴に真名を告げた。

「うむ……。経緯は少々難ありだが、斯様な重いものを許してくれた事、光栄に思う」

 そんな賈駆……詠の内心を知る由もない帝辛は、大方董卓……月への過保護と男嫌いが故だろう、と苦笑を一つ。
 話が一段落着いたところで、今度は張遼……霞が切り出した。

「なあなあ、辛。アンタ、これから公務とか就く事になるやろ?」
「うむ? まあそうなるな」
「そん時にな? 一々帝辛っちゅう真名、にあたる名前を使うのって、どうなんかなぁって思うんやけど。それに……今はウチらだけやからええけど、帝っちゅう姓も、ひょっとしたらなんかの波風立てる切っ掛けになってまうかも知れへんやん?」
「それは……一理あるな」

 特に最近は漢王朝の権威が失墜の一途を辿っている。そんな中で【帝】の姓を掲げるのは、挑発行為以外の何物でもない。
 あーだこーだと相談していると、毒気を抜かれて落ち着いたこの面子一番の切れ者・詠が口を開いた。

「……ふう。ねえ、アンタ偽名使いなさい。アンタの存在はそれなりに知れてるけど、名前まではボクたち三人以外には殆んど広まってないから、誤魔化しが効くんじゃない?」
「ふむ。……かつて帝家は子という姓であったはずだ。これを使えばよかろう。名は……幼名の受を使い回すか。私の名である事に変わりはないし」
「よっしゃ、んじゃあこれからは公的な場では子受、私的な場所では帝辛、って事でええな?」
「うむ。まあ、帝辛の名はしばらくはそなたら三人にしか明かさんよ。……私が真名を許した最初の三人だな。では、姓は子、名は受、真名は帝辛。改めて、よろしく頼むぞ」





 子受こと帝辛、董卓こと月、賈駆こと詠、張遼こと霞。
 この外史の中華、そして世界の歴史にくっきりと残された四つの名。それが此処にいま出揃った。
 そして、此処が起点。世界は、時代は動き始める……。

 

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(c)Ryuya Kose 2005